AI導入は、
いくらかかりますか。
ツールの利用料は、いちばん小さい費用です。10人で月3万円ほど。ここで迷う会社は、あまりありません。
負担が大きいのは、請求書に出てこないほうでした。
「いくらかかりますか」。この質問は2番目によく来る質問です。
ただ、AIの費用と一括りにされているものの中には、性質の違う3つが混ざっています。ツールの利用料。社内の誰かが使う時間。外部に委託する費用。この3つを分けないまま比べるので、高いのか安いのかが判断できなくなります。
ツール代は、いちばん小さい
法人向けの契約でも、1人あたり月3,000円前後です。10人で月3万円、年間で36万円ほど。会社の判断として、迷うほどの金額ではないと思います。
しかも各社ほぼ横並びです。比較にいちばん時間をかけられている層が、実際には金額の差がいちばん小さい層になっています。
費用の話がここで終わるなら、AI導入は安い買い物です。ただ、本体はこの先にあります。
※2026年8月時点。価格の改定は頻繁にあるため、契約前に各社の公式ページでご確認ください。
無料で始めると、検証に時間が消える
まず無料版で試してみます、という進め方があります。慎重な判断ですし、間違ってもいません。ただ、私たちが見てきた限り、ここがいちばん時間を使います。
無料版でどこまでできるのかは、使ってみないと分かりません。そして、できないと分かるまでにも時間がかかります。制限にぶつかって、別のツールを探して、また試す。気がつくと、無料アカウントだけが並んでいて、どれが何に使えるのかを誰も把握していない状態になります。
この時間には、請求書が来ません。だから、費用として計上されません。
実際には、担当の方の何十時間かが検証に消えています。人件費に置き換えると、有料プランの何ヶ月分にもなります。
無料だから安い、とは限りませんでした。
性能は、追い続けないと分からない
もうひとつ、この作業には終わりがありません。
AIの性能は数ヶ月単位で変わります。半年前にできなかったことが、いまはできます。逆に、使っていた機能の提供が終わることもあります。一度調べて表にまとめても、その表は数ヶ月で古くなります。
つまりツールの検証は、一度やって終わる仕事ではなく、ずっと続く仕事です。
専任の担当がいる会社なら回ります。ただ、多くの会社では、通常業務を持っている方が片手間でやっています。片手間では追いきれません。追いきれないので、去年の理解のまま止まります。
止まったこと自体には、誰も気づきません。
ずっとかかるものと、一度で済むもの
ここまでを整理すると、費用は2種類あります。
ひとつは、社内の誰かが調べ続ける時間。これはずっとかかり続けます。しかも請求書に出ないので、金額として認識されません。もうひとつは、外部に委託する費用。こちらは金額が見えます。
比べるべきなのは、この2つです。ツール代同士ではありません。
私たちのAI研修は、1名400,000円(税込)、3名から、10時間です。人材開発支援助成金の対象で、活用した場合は最大75%の経費助成により、実質負担は1名あたり100,000円(税込)になります。
これは単発の費用です。終わりがあります。一方、社内で調べ続ける時間には終わりがありません。
どちらが高いかは、期間を決めないと比べられません。3ヶ月で切れば自社でやるほうが安く見えますし、2年で見れば逆になることが多いです。
対象が複数領域にまたがる場合や、継続して実装を進める場合はAI導入支援(月200,000円〜・税抜・6ヶ月更新)になります。1業務、多くて2業務であれば研修の10時間で完成します。範囲が違うだけで、どちらが上ということはありません。
金額より先に、決めることがあります
「いくらかかりますか」に、私たちはその場で即答していません。
売るものが先に決まっていれば、即答できます。ただ、どの業務のどこに入れるかが決まっていないと、範囲が引けません。範囲が引けないものに、金額はつきません。
前回、AI導入は選定から始まらないと書きました。費用も同じです。金額が決まらないのではなく、その手前が決まっていません。
そして、何を成果とするかが決まっていないと、出てきた金額が高いのか安いのかも判断できません。年間で何時間が戻るのか。その時間で何をするのか。ここが決まっていれば、金額の判断はそれほど難しくありません。
AI導入は、いくらかかりますか。答えは、何をどこまでやるかによります。ただ、いちばん大きい費用は、たいていの場合、まだ請求書になっていない時間のほうなのです。
Q.AI導入には、どのくらいの費用がかかりますか。
ツールの利用料は法人向けでも1人あたり月3,000円前後で、ここは大きな金額になりません。実際に大きいのは、社内の誰かが調べ、試し、教える時間です。この時間は請求書に出てこないため、費用として認識されないまま積み上がります。
Q.まず無料版で試すのは、良くないのでしょうか。
試すこと自体は問題ありません。ただ、無料版でどこまでできるかは使ってみないと分からず、できないと分かるまでにも時間がかかります。検証に使った時間を人件費に置き換えると、有料プランの何ヶ月分にもなることがあります。
Q.AI研修に助成金は使えますか。
人材開発支援助成金の対象となる可能性があります。活用した場合、最大75%の経費助成により実質負担は1名あたり100,000円(税込)になります。制度は要件が細かく申請のタイミングも重要なため、提携する社会保険労務士をご紹介し、計画届の作成から伴走しています。
Series — AI導入で詰まるところ(全12回)
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